コンクリート補修・保全の重要性


コンクリートも傷みます! 

適切な処置を施す事で長期に渡り品質を保つ事が可能です。


一見、丈夫で長持ち劣化なんて無縁とも思われるコンクリート構造物ですが、完成後は、時間の経過と共に着実に劣化が進みます。




構造的な破損や、施工ミス・生コンの調合不良に起因する劣化を除き

コンクリートの劣化を引き起こす原因は大きく分けて4つあります

 
  1. 中性化
    打設直後のコンクリートは、セメントの水和反応により水酸化カルシウムの存在で強アルカリ性を示すが、経年変化により空気中の二酸化炭素と反応し、水酸化カルシウムは炭酸カルシウムに変化しアルカリ性が弱くなる。この反応を中性化と呼びます。
    中性化が進みアルカリ性が弱くなると、鉄筋コンクリート内の鉄筋表面に形成されている不動態被膜が壊れてなくなり鉄筋が腐食(錆)しはじめます。
    鉄筋が腐食すると鉄筋の体積が増え膨張し、コンクリートにひび割れが発生し、そこから雨水などが染み込み鉄筋の浸食がさらに進んでしまい“爆裂”という症状の発生につながってしまいます。

     
  2. アルカリシリカ反応
    コンクリート中のセメントや混和剤に含まれるアルカリ分と、骨材の中のアルカリ反応性物質が水と反応して膨張する現象を、アルカリシリカ反応と言います。
    反応物質が膨張することによりコンクリートにひび割れが発生し、そこから水が浸入することで鉄筋が錆び、さらにひび割れが拡大することで爆裂に繋がってしまいます。

     
  3. 塩害
    鉄筋などのコンクリート中の鋼材に、塩化物イオンが作用し腐食を起こさせる。腐食による鋼材の膨張がコンクリートのひび割れを起こす現象を塩害と呼びます。
    この現象でも、錆による鉄筋の膨張によりひび割れが発生し、さらにひび割れからの塩化物イオン・水の浸入によりひび割れが広がり爆裂に繋がります。

     
  4. 凍害
    外気温が氷点下以下に下がると、コンクリート中の水分が凍結し膨張します。凍結融解による内部膨張を繰り返すことによってコンクリートの表面にひび割れが発生し耐久性が損なわれます。この現象を凍害と呼びます。
    ひび割れから水が浸入し、鉄筋が腐食することで新たなひび割れを発生に繋がります。


 




劣化の進行を遅らせるためには?
(*調合時にとれる事前策ではなく)


中性化を抑えるためには

アルカリシリカ反応を抑えるためには 塩害を防ぐには 凍害を防ぐには

どの様な対策を講じればよいか?

中性化 … 絶縁被覆処理

アルカリシリカ反応 … 絶縁被覆処理

塩害 … 絶縁被覆処理

凍害 … 絶縁被覆処理




上記①~④の対応策を考えると、コンクリートの経年劣化を遅らせるためには コンクリート表面に絶縁処理を施し外気や雨水を遮断するのが一番効率的である。



では、コンクリートに絶縁被覆処理を施すには、どのような素材・材料が適しているのでしょうか? 



合成樹脂塗料
通気止め、防水性は期待できるが、塗料自体の経年劣化が激しいい事と、コンクリートに対しての追従性が無いためクラックの発生が考えられる。コスト的には一番安上がり。

ポリマーセメントモルタル
通気止め効果、防水性ともに期待でき、経年劣化も非常に遅いが、ポリマーモルタル自体が中性化する素材である事、コンクリートに追従できなのでクラック発生、剥離を起こすことが考えられる。

ウレタン樹脂
通気止め効果、防水性は高く、材料に伸縮性が有るため追従性にも優れるが、経年劣化(特に紫外線による劣化)が早いので、トップコートの塗布などの処理が必要。

ウレア樹脂
通気止め効果、防水性は高く、材料に伸縮性が有るため追従性にも優れる。耐候性が高い、摩耗性に優れている等の特徴もあり、とても優れた材料だが、絶縁処理に使用するにはオーバースペック。


どの材料にも長所・短所があり、一概に “この材料が一番優れている!” とは言い切れません。


現場の状況に合わせて、適切な判断の基に材料の選択をしていくことが大切です。




ケミカルバンデージたかひろ は、長年の湿式建材販売・施工の経験を活かし、最適な補修・保全方法をご提案いたします。